(11)助っ人が現れる

2024年の夏は記録的な猛暑日が続いた。窓を開け話しているが、工場内部はたまらない。作業のペースが格段に落ちる。
そんな時に現れたのが、南さんとショージさんだ。南さんは田尻マリーナに自艇を係留しているオーナーであるが、ヨットの製作を体験したいと助っ人を引き受けてくれた。技術職の経験が豊富なので機械工具の操作もできる。

ロンジはオフセット通りのカーブを出すためには、一材でバウからスターンまで取り付けなければならない。すると10mの長さが必要なので、木材をスカーフ接手で接着してつなぎ合わせる。スカーフは正確な角度が必要なので、スライド丸鋸の台座にジグを作り、木材の先端を一定の角度で切断する。南さんは600本の外板材を削ってくれた。

その上に二重の外板を張り付けていく。外板材は木工機を使って、一定の厚みに削り揃える。そろえた外板を張り付ける作業は、ショージさんがエアーネイラーを使って、ロンジの上に手際よく張っていく。ショージさんはかって21フィートの自作艇で太平洋を横断した。修業した木工技術を生かし、到着したサンフランシスコで建築業を起業し、現在もベイエリアに居住している。いま自宅の庭では、スチール製の35フィート艇を自作中だ。長年の友人が助けてくれるのは心強い。

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