フルスケグとアウトラダーの装備

量産されているヨットの多くは、クルージング艇であってもバランスラダーを装備しています。スケグ付きのヨットは、ほとんど見かけません。なぜなら保針性の重要さが、忘れられているからです。舵はオートパイロットに任せれば、済むではないかという考えがあります。またベテランの間には、ステアリングの技術で強引にカバーするのが、腕の見せ所といった考えがあります。

たしかにエンジンを併用して機帆走するクルージングなら、問題は少ないでしょう。しかしセーリング時に、オートパイロットが全く役に立たない状況を、考えなくてよいのでしょうか。ウエザーヘルムの強い艇では、過大な力がかかります。風力5(10m/sec)以上になると、オートパイロットは、もう舵を制御できなくなる場合が多いのです。
また機構上、何時間もの酷使に耐えられないことは、オートパイロットの故障が多いことからも明らかです。長距離クルージングには予備を2台持って行けというのが、常識となっています。

艇自体の保針性が優れていると、オートパイロットの負担は少なくなります。それ以上にヘルムスマンは、煩雑な当て舵から解放され、楽になります。その余裕が、クルージングの余裕となるのです。
Zen24は、アウトラダーとバランスラダーのどちらかを、標準装備として選択出来ます。バランスラダー仕様でも、ハル自体が発生させる揚力が直進性の根源なので、十分手放し帆走が可能です。しかし太平洋横断クラスの長距離航海をお考えなら、フルスケグの装備をご検討下さい。スケグはヨーイングの軽減に寄与するからです。Zen24のフルスケグ付きアウトラダーはアスペクト比が高く、とっさの時に必要となる回転性も、兼備しているのです。

skegraddder
サバニ船型と合わせて、最高度の保針性能とニュートラルヘルムを生み出すフルスケグとラダー。

 

skegradder2
アスペクト比が十分高いので、素直な保針性と回転性を両立する。後縁のヒレはウインドベーンのサーボタブ
skeg-zasyou
このような事態は、誰もが望みません・・・。いたずらに重量を増加させた構造では、大きなダメージを引き起こします。

 

skegradder3
ビーチの砂礫に突き刺さってしまったスケグとラダー、しかし、付け根にもハルにも、ダメージはありませんでした。