人間はおもしろい。

強そうな人は、実は弱い。強い主張、強い態度や自信、それらはかえって弱い自分を補おうとする働きであることが多い。
真に強い人は、実はおとなしそうに見えるものだ。
愚かな人は賢く見えるように振る舞う。賢い人は、愚かそうに振る舞う。
冷酷な人は、思いやりが深そうに見える。温かな人はさりげない。
これらは他人のことではない。自分自身の中に、すべてが含まれているのだ。人との出会いに、油断は禁物、自分にも相手にも。井伊直弼が一期一会と言っているのは、本来そのような意味ではないだろうか。

外側と内側を結ぶコンプレックス
外側と内側を結ぶコンプレックス

個人を縦に切ると、進化が見える。個人を横に切ると、社会が見える。今西錦司の言葉だ。
社会の価値観は、個人観、社会観、自然観、宗教観で構成されている。
個人の人生も同じではないだろうか。良い悪いではない。自分の限りある人生、価値を決めるのは何であろうか。それは生きているうちに、いずこを目指すのか。夢を実現させるために、いかに努力を続けるのかが問われるのに違いない。無常迅速とは、このことだったのか。

社会を構成する価値観
人の価値観