「日本の歴史を読み直す」網野善彦著を読む

こんなに面白い本は、久しぶりだ。「日本の歴史を読み直す」は、読み直さざるを得ない。教科書で習ってきた日本の中世史が大きく変わるだろう。網野善彦先生の研究手法は、古代史の研究家である古田武彦先生と同じだ。資料に主観や予断を持ち込まず、資料の記述をありのままに受け取る。そこから帰納して、また演繹を行って結論を導き出す。その結論が通説や常識とは大きく異なっていても、受け止める。これはすごい勇気だ。
中近世の日本列島を取り巻く経済活動は、すでに東アジア一体に波及していたようだ。それを担ってきたのが船と、航海技術であった。貿易活動が日本の富を形成してきたと言って良い。米を中心とする農民が経済の中心だと言われてきたが、そうではなかったようだ。

Related Posts

湯浅海の駅とみつはしそーた

湯浅海の駅の係留場所の状態を見さらに読む

最近買った本「オスマン帝国全史 宮下遼著 講談社現代新書」

2024年度の国民負担率は45.1%

2024年度の国民負担率は45さらに読む

旅する喜びと苦しみ、アンソニー・ボーデン