沿岸航法:Coastal Navigation(AOKI・BCC以上)

海図の仕組み 海図の使い方 航路標識の意味 灯台の光り方

海図の使用法 Chart and Simbols

位置を測る

デバイダーを使えば海図上から、目標の正確な位置を測ることが出来る。 目標物にデバイダーの足を当て、もう一方の足を最も近くの基準線に合わせる。そしてデバイダーを目盛りのところへ持っていけば、基準線からの距離を目盛りから読み取る事が出来る。
この作業を2回行えば、緯度と経度を知ることが出来る。緯度と経度で表される座標上の値が、位置である。右の海図上にある目標の位置を、だしてみよう。
海図上の記号には正確な位置を示す為に、小さな丸印が記載されている。

記号  意味 位置(北緯・東経)
一部が露出した沈船     40° 04.8' N   ,   24° 52.0' E
、タワー     39° 55.0' N   ,   24° 58.0' E
危険な全没沈船     39° 52.8' N   ,   24° 42.2' E
好錨地     39° 58.5' N   ,   24° 55.7' E
赤色右舷浮標     39° 52.5' N   ,   24° 37.2' E


距離を測る

Chart and Distances
二点の間の距離を測るには、やはりデバイダーを使用する。たとえば右図の石油リグ間の距離は、どうすれば知ることが出来るのか。
まず始めにわかり易い目盛りとして、デバイダーの足を中間点の緯度5分(5マイル)に合わせる。経度ではないことを思い出して欲しい。
そしてつぎにデバイダーを直線状で4回転させ、余りを再びデバイダーで測る。余りを緯度目盛りにあわせて読み取ると2.7マイルとなる。すると二点の間の距離は5M×4回+2.7マイル=22.7Mとなる。
注意して欲しいのは、もしデバイダーを北緯40度以下の緯度目盛りに合わせると、2.7Mが2.5Mになることだ。






針路を測る

Chart and Coursesさて既に位置と距離を海図上で測れるようになりましたね。次は方角を知る必要がある。海図上では方角を針路という。
二点の間の針路を測るには、平行定規を使う。三角定規を2枚使うよりも、コンパクトである。
右図のブイAとブイBを結ぶ針路は何度であるか。まず平行定規をブイAとブイBの両点に当てる。次に定規の左側を上にスライドさせる。そしてコンパスローズのところまで同じようにスライドさせる。定規の一辺をコンパスローズの中心に当て、コンパスローズ外周の角度を読む。右図の例では、AからBへの針路は153度となる。

 




重要な海図記号
記号 意味 記号 意味
Large Navigational Buoy 特別な灯浮標 Buoy 右舷灯浮標
green buoy 円錐型右舷浮標 red buoy 円筒型左舷浮標
safe water mark 安全水域標識、赤、白色 cardinal buoy 西方位標識
stone 干出岩 foul seabed 海底状態が悪く、錨泊には不適切な水域
danger by sounding 危険海域、水深4.1m danger dragged 危険海域、水深4.1mで掃海済み
visible wreck 船体の一部が露出した沈船 visible at low tide マストが見える沈船
dangerous wreck 危険な沈船、水深不明 wreck, not dangerous 危険でない沈船、水深10m以上
tides 潮汐表の基準とした位置 currents 潮流表の基準とした位置
sector light 灯光が見える範囲、角度による光の色の変化 danger 危険線
oil rig 石油リグ、500m以内進入禁止 Rig, lighted 灯火の設置されているリグ、500m以内進入禁止
Obstn 障害物 Wd 海草に覆われた海底
PA 概略の位置 P 小石、礫の海底
St 石の海底 Whis 笛の音響浮標

沈船の記号とその意味

さて皆さん、いまや海図から読み取れる情報と、その使い方がお解かりかと思います。しかし航海術はまだ次の段階があります。航路標識の意味と灯台の灯質、潮汐の利用が次のテーマとなります。