最新の落水者救助法

落水者は救助できる
落水は死亡事故に直結する最も恐ろしい事故である。クルージング中でもレース中でも、沖でも港の中でも、ビギナーでもベテランでも起こりうると考えねばならない。そして落水者本人のみならず、残された乗組員も事故を目の当たりにすれば、パニックとなる。クルーを救助しようと艇から飛び込み、行方不明となったスキッパーもいる。万一の際にはどのようにして落水者を救助すればよいのか、スキッパーはあらかじめ、その技術をマスターすべきではないだろうか。

誤ったこれまでの常識
落水者があれば直ちにセールを降下し、エンジンを始動して救助活動を行うほうが、時間をセーブできます・・・。ある代表的なヨット教科書の一文である。しかしこれでは、助かる人も助けることは出来ないであろう。
なぜならセールを降ろしているわずかな間に、落水者を見失う。セールを降ろし風向を見失えば、目当てのない洋上では、落水者へ戻りうる方向さえもわからなくなる。セールを降ろしたが故に救助できなかった、過去の多くの事故を教訓とするべきであろう。

8の字救助法(C)でセーリング救助する
落水者はセーリングで救助する。1980年代にはすでに欧米では常識となった。8の字救助法(C)が開発されたからである。
それは直ちに8の字を描いてセーリングで、落水者に戻る。そして風上側で停止し、ヨットの上に引き上げる。容易ではあるが、習得しておかないと、役には立たない。
その他のセーリング救助法としては、クイックリターン法とクイックストップ法がある。しかしもっとも適用範囲が広く基本となる救助法は、8の字救助法である。 基本となる8の字救助法をまず身につけよう。

落水者のとるべき行動
1.決して泳いではならない。岸辺が近くに見えても。泳いでいる間に体温が流出し、筋肉は動かなる。ディンギーなどの浮力があるヨットなら、つかまって救助を待つべきである。発見もしやすくなる。

岸辺が近くに見えても、泳いではならない
岸辺が近くに見えても、泳いではならない

2.着衣も靴も脱がずに、じっと救助を待つ。体温の流出を防ぎ、低体温症に陥る時間を稼ぐ。溺れるのは低体温症によって、筋肉が動かなくなるからである。下図の体温保持姿勢をとり、救助を待つ。

ハドル・ポジション
ハドル・ポジション
HELPポジション
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