海上気象(青木ヨットスクール・BCCコース以上の教材)

天気図の見方風の成因風と風力階級雲とその意味高気圧低気圧台風前線の見分け方霧と雷

参考文献 「NHK 最新気象用語ハンドブック」日本放送協会編/日本放送出版協会

高気圧と低気圧

【高気圧・低気圧】  周辺部より気圧が高いところが「高気圧」で、低いところが「低気圧」。
いずれも、気圧によって判断されるものではなく、周囲との比較で判断されます。

高気圧は空気が重い(気圧が高い)ため、上空から地表に向かって吹き降り、地表付近で中心から外に向かって右巻き(時計回り)に吹き出します。
空気が下降すると、断熱収縮によって気温が上昇します。
このため、一般的に高気圧付近は天気が良くなります。
高気圧には、その発生場所の名を付けて「小笠原高気圧」「シベリア高気圧」などがあります。
逆に、低気圧は空気が軽い(気圧が低い)ため、地表付近で中心に向かって左巻き(反時計回り)に吹き込み、上空に向かって吹き上がります。
空気が上昇すると、断熱膨張によって気温は低下します。
このため、一般に低気圧付近では天気が悪くなります。
低気圧は、発生場所によって「温帯低気圧」「熱帯低気圧」などに分類されます。
南半球では、高気圧は左巻きに、低気圧は右巻きになります。


移動性高気圧   シベリア高気圧や太平洋高気圧などの、停滞する低気圧に対して、2つの低気圧の間に移動してくる高気圧をいう。通常、日本付近では春と秋に低気圧に続いて大陸から来て、日本を西から東に通過する。
この時期の日本の天気を周期的に変化させる


熱帯低気圧  熱帯の海上で発生する低気圧で、そのうち、特に最大風速が 17m/s(風力8)以上のものを台風と呼びます。熱帯地方は、気温がほぼ同じなので気団の発生がなく、したがって前線を伴うことはありません。天気予報で「熱帯低気圧」という表現を耳にしますが、これは単に台風と比較して風が弱いことを指しているだけで、雨の量は台風に劣りませんから、十分に注意が必要です。

これに対し、温帯地方で発生する低気圧は温帯低気圧と呼ばれます。