灯台や灯火の見分け方
夜間航海では灯火と、その意味の違いを見分けないと、暗い海上を安全に走ることはできません。
GPSやレーダーを装備すれば大丈夫ではないかという考え方は、間違いです。現在の状況を確認するには役立ちますが、電子機器はあくまで確認のための一要素と考えておきましょう。
嵐の中で、目の前に現れた岩礁をどのように回避するべきか、あなたはそこに光る灯火の意味を自身で解読し、数秒以内で判断を下さねばなりません。
わたしは夜間航海をしないので、関係ないと思われますか。灯火を判別できれば、明るいうちに予定どおり入港できなかったときでも、目的の港へ自信を持って入港できます。
スキッパー(BCCクラス)としては少なくとも、下の灯火を全て判別する必要があります。参考灯台の灯質記号 航路標識の識別


灯台の灯火
灯台の中には、30マイル以上の距離から光を視ることができるものもあります。光の届く距離を、光達距離といいます。海図の灯質記号にも、記載されています。陸影の見えないはるか沖合から、灯台は陸地の存在を教えてくれます。また自艇の位置をベアリングにより、知ることも可能です。

さて、左図の灯質は次のどれでしょうか。正解をクリックして下さい。



航路標識の灯火
水道や内海へ進入するとき、その入り口を間違うと、目的地へは行けないときがあります。また航路の途中では浅瀬や他船との接近を防ぐため、航路標識によって、安全な航路に導いてくれます。ただし標識は水源がどちらかによって、全く反対になります。さてあなたは外洋航海から帰ってきました。エンジントラブルのため、夜になってしまいました。そして左記の水道を通って母港へ帰ろうとしています。どの航路を選ぶべきでしょうか。


Aコースをとり、航行する Bコースをとり、航行する Cコースをとり、航行する Dコースをとり、航行する Eコースをとり、航行する Fコースをとり、航行する

港の灯火
やれやれ港が近い。しかし港の入り口には危険が一杯です。浅瀬、岩礁、防波堤、これらを縫って入る複雑な進入路が待ちかまえています。安全に入港するのを導くため、港には何らかの灯火が、設置されています。
さて、このような灯火が見えてきました。疲労したクルーがスキッパーに尋ねます。あなたの判断は下記のどれでしょうか。



緑灯の左側から入港する 緑灯と赤灯の間から入港する 赤灯と緑灯の重なる位置から入港する 赤灯の右側から入港する 港ではないので、引き返す

船の灯火
夜の闇の中では、距離感はあてになりません。相手船の船灯を判別し、避航するべきか保持するべきかを決定する必要が生じます。
無闇にコース(針路)や速力を変えずに、まず相手船の進んでいる方向を識別します。その後、衝突のおそれがあるかどうかを判断すればよいのです。意味もなくコースを変えれば、相手船をとまどわせ、かえって衝突コースへ変針させることにもなりかねません。あなたの判断は下記のどれでしょうか。


正面から接近中 左から右へ航行中 右から左へ航行中 遠ざかっている 船舶ではない