ウェザーヘルムの弊害とバランスヘルムの利点

ウェザーヘルムはティラーを中央に置いていても、バウが風上側へ切り上がろうとする性質のことです。ウェザーヘルムが過大なときは、ティラーを保持するのに大きな腕力が必要になります。強風時に長時間操舵すると、ヘルムスマンは疲れ果ててしまいます。注意力も散漫となり、波に操舵をあわせることが出来なくなり、ブローチングを引き起こすことになります。ブローチングするとヨットは横倒しとなってしまいます。
また直進させるためには、ラダーを大角度に切ることになり、その大きな抵抗によってスピードが減殺されます。
ほとんどのヨットは、このウェザーヘルムの弊害を、考慮していません。むしろ操舵技術により、弊害を克服するのがベテランであるといった、迷信さえ生じてきました。

Zen24はヒールしてもウェザーヘルムが軽く、バランス状態を保つことが可能です。それはショートハンドの操船や、荒天下の操船の時、スキッパーに大きな余裕をもたらせます。

他のヨットでは得ることが出来ないこの特性は、CECLRのバランスが、ヒール状態においても保持されることによって、生み出されるのです。ヒール時にはCLRが後退することで、CECLRのバランスを保ちます。図解下側が、バランスを保っている状態です。
この特性はハル形状の流体力学的な揚力によって生じます。その結果Zen24はバランスヘルムによって、長距離航海に不可欠な保針性能を実現しました。操舵が軽いので、オートパイロットが壊れにくいという副産物も生じます。

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